当院での手術
当院の特徴は、多くの分野で専門的治療を受けられるいうことです。白内障手術の他、緑内障、糖尿病網膜症、網膜剥離、加齢黄斑変性、眼瞼下垂などに対して高度な治療を行っています。
特に特徴的なのは涙道疾患(鼻涙管閉塞や涙嚢炎)の根治治療が受けられるということです。涙目や目やにが続いているのに我慢するしかなかった方に対して、改善の手助けができると思います。専門性の高い分野であり、この治療を行っている施設はわずかしかありません。院長はこの分野の治療のエキスパートであり、安心して診療を受けていただけます。
他の眼科医院に通院していて、白内障・網膜硝子体疾患・眼瞼下垂・涙道疾患など特定の疾患に関してだけ当院で治療を受けたいという方にも対応しています。患者さん本人の希望があれば、「今までかかっていた眼科医院と連携して、手術を当院で行い、その後の経過観察を元の眼科医院に依頼する」ということも可能です。受診の上ご相談下さい。
白内障は、眼球の中の水晶体というレンズが濁ってしまう病気です。
眼球はカメラのような構造をしています。レンズにあたるものが水晶体と角膜です。(カメラのフィルムにあたるものは網膜ということになります。)
水晶体の役割はピントの調整です。水晶体が濁ってしまうと光が通りにくくなってしまうため、網膜にうまく光が到達せず、「かすんで見える」「見えにくい」という症状がでてきます。白内障があると光が乱反射するため、「まぶしい」という症状もでることが多いです。
水晶体は、袋に包まれて、ハンモックのように眼内につるされた状態で固定されています。袋を残して中の濁りを除去し、かわりになる人工のレンズ(眼内レンズ)を入れるのが、現在よく行われている白内障手術です。
通常の白内障の場合、超音波を使用した手術が行われます。角膜の端に3mm弱の小さい創口を作り、水晶体の袋の前側に丸い穴をあけ、そこへ超音波を出す道具を入れて中の水晶体を砕いて吸い取っていきます。その後、残った袋の中に眼内レンズを入れて固定します。
白内障が進行して水晶体が固くなった場合には「水晶体嚢外摘出術」、水晶体を固定している糸(チン氏帯)が弱い場合には「眼内レンズ縫着術」など、手術に特殊な技術が必要な場合もたまにあります。
当院ではこのような難症例でも日帰りで対処可能です。
白内障手術で挿入する通常の眼内レンズは単焦点であり、ピントが合う距離は1か所です。遠方、中間距離、近方のうちどこに焦点が合うようにするか、ご本人の生活スタイルと希望にあわせて選択し、眼内レンズの度数を決めます。その距離以外をはっきり見たいときには眼鏡をかける必要があります。
遠方、近方どちらにも焦点があうように設計された「多焦点眼内レンズ」というものが最近開発され、使われるようになってきています。当院でも2019年より多焦点眼内レンズを用いた白内障手術を開始しています。
(多焦点眼内レンズは保険適応ではないため、手術費用が高額となります。)
詳細については診察時にお尋ね下さい。
当院では、網膜剥離・糖尿病網膜症・網膜前膜・黄斑円孔などの網膜硝子体疾患に対する手術(硝子体手術)を日帰りで行っています。網膜剥離など緊急性のあるものについては時間外でもできるだけ早めに対処するようにしています。
硝子体は、眼のレンズ(水晶体)の奥・網膜の前にある、透明なゼリー状の組織のことです。本来は害のないものですが、この硝子体に変化が生じると網膜疾患を起こすことがあります。その場合に網膜を牽引している硝子体を切除し、網膜の状態を改善させるために行うのが硝子体手術です。局所麻酔で行います。
網膜前膜 (=黄斑前膜・黄斑上膜)
網膜前膜とは、網膜の中心部にある黄斑の「前」に余計な膜ができてしまう病気です。かすんで見えにくい、物がゆがんで見えるなどの症状が出てきます。治療は硝子体手術で余計な膜を除去することです。
黄斑円孔
黄斑円孔とは網膜の中心部分にある黄斑部に、丸い穴があく病気のことです。非常に物が見えにくくなり視力が下がっていきます。硝子体が網膜を引っ張ることが黄斑円孔の原因です。硝子体手術で引っ張っている硝子体を除去し、眼内に一時的に空気をいれて圧迫することで黄斑円孔が閉じるようにします。
硝子体黄斑牽引症候群
硝子体が網膜を引っ張ることが原因で、黄斑部に穴があくのではなく浮腫や分離を生じた状態です。やはりゆがみや視力低下の原因になります。硝子体手術を行うことで改善できます。
網膜剥離
網膜剥離とは網膜に穴が開くことで網膜の下に水分が入り込み、網膜がはがれてしまう病気です。網膜剥離になると、目が見えにくくなったり、視界がかけたりします。放置すると失明してしまうため、急いで手術をする必要があります。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、糖尿病の影響で網膜血管障害が生じるために起こります。初期であれば網膜光凝固術(レーザー治療)で病状を落ち着かせることができます。進行した場合は硝子体出血や増殖膜などが生じ、視力が大きく低下します。この場合は硝子体手術を行う必要があります。
硝子体出血
硝子体出血とは、網膜などからの出血が硝子体中に入り込んだ状態のことです。外からの光が血液に遮られ網膜まで届かないため、視力が低下します。硝子体手術で血液ごと硝子体を除去することで改善をはかります。
・レーザー網膜光凝固 (糖尿病網膜症 網膜裂孔 網膜静脈閉塞症などに対する治療)は外来診療時間に随時行っています。
ひばり中村眼科では、鼻涙管閉塞や涙嚢炎に対する治療を行っています。
なみだ目の原因のほとんどは、鼻涙管という涙を鼻まで流すための管が詰まってしまったために起こります。時間が経つと涙だけでなくメヤニも多くなってきます。なかなか治療をしてくれるところがなく、ずっとがまんしている方も多くいらっしゃるようです。
当院では、涙道内視鏡手術(涙道内視鏡という小さいカメラを用いて、つまった鼻涙管を開放する手術)を行っています。手術時間は10分弱です。
内視鏡手術で改善できないような重症の鼻涙管閉塞の場合、涙嚢鼻腔吻合術という別の手術を行うこともあります。鼻涙管を通さず、涙嚢を鼻腔につないで涙の流れを改善させる手術です。これも当院では日帰り手術で行っています。
なみだ目やメヤニでお困りの方は、御相談下さい。
眼瞼挙筋という筋肉が伸びて働きが悪くなり、眼瞼が持ち上げられない状態を「眼瞼下垂」といいます。改善には手術(眼瞼挙筋短縮術)が必要です。局所麻酔で片側30分弱程度の手術です。
・眼瞼の皮膚を切開して眼瞼挙筋を露出し、瞼板から一旦はずします。眼瞼挙筋が伸びて力が入らなくなっているので、短縮してピンと張った状態で再度瞼板に固定し、まぶたが開くようにします。術後しばらくまぶたが赤く腫れた感じになりますが、徐々に落ち着いてきます。
・皮膚を切開せず、まぶたの裏のみを切開して行う方法もあります。皮膚に傷が残らないというメリットがありますが、眼瞼下垂が高度の場合には適応にならないこともあります。
上眼瞼皮膚弛緩症について
まぶたの皮膚のみが垂れ下がっている場合は、皮膚切除をすることで開きやすくなります。
・まつ毛のすぐ上で切開する方法が一般的ですが、二重の印象がかわり、時に厚ぼったい印象のまぶたになることがあります。
・眉毛下皮膚切除 (眉毛の下ぎりぎりで切開して皮膚を切除する方法) も当院では行っています。まぶたが厚ぼったくならず、すっきりした印象にできるというメリットがあります。
術式は、術前の診察時に患者さんに説明し、相談した上で決定します。
ひばり中村眼科
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